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FRAGILE〜愛が毀れるとき〜
FRAGILE (B-PRINCE文庫 こ 1-1)
FRAGILE (B-PRINCE文庫 こ 1-1)
木原 音瀬
JUGEMテーマ:読書


戦々恐々としながらも待ち遠しかった木原さんのお犬様本です。

雑誌掲載分の「FRAGILE」と書き下ろし「ADDICT」の二本立て。
「FRAGILE」が既読でしたので今回この救いのなさそうなデッドエンドの物語にどんな結末がつくのか…楽しみでもあり、恐ろしくもあり。

結果的にやっぱり二人だけで閉じてる話ではあるのですが、予想よりはかなり平和的なラストだったと思います。
いや、木原さんのことだから『予想もつかない恐ろしいバッドエンド』というのもアリかと予想していたの(笑)

そう思えば十分想定の範囲内というか、むしろラブだよ!よかったよ!とつい喜んでしまった自分は、いつの間にか木原さんに関してはずいぶん幸せ基準値が大暴落してるんじゃなかろうかと心配になる今日この頃。

とか言いつつ、「きれいな」とか「やさしい」とか恋愛の甘さやうつくしさを求める方にはオススメいたしませんのでご注意くださいませ。

【あらすじ】
大河内の人生は、バラバラに壊されてしまった。
一人の男の手で――。
才能あふれる部下・青池を嫌い、一方的に蔑ろにしてきた大河内。
我慢の限界を迎えた青池は大河内に襲いかかるという事件を起こし、社を去っていく。
目障りな存在がいなくなり安堵したのも束の間、ある夜、その青池が大河内の自宅で待ち構えていた…!
大反響の雑誌掲載作に大量書き下ろしを収録。
二人が踏み込んだ愛憎の迷路のたどり着く先は――。

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だいたいに於いて受贔屓な私ですらこの話の受、大河内には贔屓ポイントが見当たりません。

見た目と要領の良さだけで上手く世間を渡り歩いているだけで仕事ができるわけでもなく、性格は最悪で敵が多いタイプなんですよね。

なのにこの男のどこがよかったんだ、青池…顔か、顔なのか!?

以前雑誌掲載分を読んだ時には大河内がそれほど美形設定だと思っていなくて、それよりもキレた青池の言動の怖さばかりが印象的だったのでとんでもなくラブレスな話だと記憶していたのです。

しかし今回改めて読みなおし、書き下ろしで青池が大河内に出会って好きになりその心を踏みにじられて愛が憎悪に変わっていく過程を逐一知ってしまうと、もう大河内は何されても仕方ないんだな〜と思わず納得してしまいますね。

青池は大河内を好きだったからこそ、その気持ちが憎しみに変わっていったときにそんな相手を好きだった自分までが許せなくて余計に苦しかったのではないかと思います。
結局酷い仕打ちをされて、憎んでも憎んでも、復讐してもなお大河内を愛する気持ちを捨てられないのが一番本人もつらいんじゃないかな・・・。
大河内を犬のように貶めることで、ぶざまに這い回る姿を見て自分こそが失望したかったんだと思います。

青池は大河内のチームで働くようになって、自分の才能も努力もすべて大河内のために使いたいとまで思っているのにデキル後輩に自分の地位を脅かされることを恐れる大河内は青池のすべてを否定していて何ひとつ報われることはありません。
いっそ青池がもっと素直に好意をみせていれば違った関係になっていたのかな・・・と思わないでもなかったのですが、大河内のように人の痛みがわからない人間相手では利用されるだけ利用されて最後に青池がキレる、というやっぱり同じ結末を辿ってしまう可能性が大ですね。

そしてなんといっても青池のその戦慄のキレっぷりですよ。
もうこれは、いや木原さんはいつものことなんだけど「ボーイズラブ」というポップでスイートな響きの当て嵌まる話ではないですよ。
この全編から漂うアン〇ニア臭…(笑)
心なしか紙面がうす黄色にけぶっているような気さえしてきます。
乙女の夢とロマンにはほど遠いな〜(T∇T)
これだけで生理的に受け付けない、という方も多かろうと思います。
私的にもうす黄色ならギリギリです(T∇T)

普通にBLなら鎖に繋いで犬扱いと言ってもそれはプレイの一環で、結局は縛りつけて犯す際のオプション的なシチュエーション(それが普通ってのもどうなのよ)だったりするかと思うのですが、青池は大河内を犯しません。

『可愛さ余って憎さ百倍』というだけあって、青池が大河内を好きだった分だけ、傷付けられた憎悪は深い。

その証拠にゲイであることを犬以下だと蔑まれたことの仕返しに徹底的に大河内を犬のように扱い溜飲をさげているかに思えますが、その大河内を犯してしまわないところがまた青池の病の深さなんだよなあ、と思えて仕方ありません。

表面的に憎悪にかられて無体を強いているようでも大河内いわくの犬はゲイよりマシな存在な訳で、本当は好きで好きでたまらない大河内を自分のレベルまで引きずり落とすことをどこかで恐れているのかも、というのは穿ちすぎでしょうか?

あとは抱いてしまってこれ以上この酷い男に夢中になりたくなかったからか。

しかしどんなに汚しても、醜く惨めな姿を曝した30男でも青池は大河内を愛することをやめられない。それは異常な執着です。
相手のどんな姿をも受け入れる慈愛ではなく、何ひとつとして許してはいないのに青池は大河内に「愛してる」と言います。
それは青池の壊れた精神、生きている限り断ち切れない恐ろしい執着を大河内に感じさせる言葉だったんでしょうね。
二人は何度も命ギリギリのやり取りを繰り返します。

この人たちの何が怖いってこれだけの異常行動で読者を恐怖感・嫌悪感その他に塗れさせておきながらサラっと普通に社会生活を営んでいるところ〜。
でもこれからも誰にも(あまり)迷惑かけずに二人閉じた世界で終わっていくんだろうな…。

えっと、前半犬調教シーンは生々しくグロいですが、後半ささやかな蜜月シーンはかなりエロいです(笑)

素股もあるよ〜♪

大河内が死にかけて、青池が殺されかけて大河内を殺しかけて、それでも大河内を好きな気持ちが失くならない本当に可哀相な男。

開き直って、何をしても大河内が自分を愛することはないだろうと諦めながらも徐々に人間らしい扱いをしてやり、大河内の態度も軟化していき、それに伴い二人の間にだんだん性的な接触が行われるようになります。

口では嫌だ嫌だと言いながらも慣らされていき、青池の愛撫を受け入れたかにみえる大河内。

少しずつ、少しずつ、しかしまた大河内の身体に夢中になってしまった青池は大河内に立場を逆転されてしまいます。

すごいな、大河内。どこまでタフで無神経なんだろう。
抱かれて喘ぎ、ひとときの蜜月を与えておきながら残酷に青池を裏切ります。
人を傷付けるために自分のプライドを曲げることも厭わない、最低の嫌な奴ですね。

しかし相手の命を絶つか、自分の命を懸けて死んでも執着し続けるかのタイトロープな駆け引きを重ねて、最後は大河内が根負けした形。
青池の異常なまでの粘り勝ちです。

そして木原さんいわく、大河内にも自覚なしに愛があるんだそうです。
よかったね、青池♪

なにはともあれ雑誌掲載の「FRAGILE」の時点ではどちらかが、あるいはどちらも死ぬしか道のない二人に思えた戦慄のストーリィでしたが、かなり平和的かつ勝手にヤッてなさい、というあたりに落ち着いたのかも。

当初のプロットは続きはラブラブだったそうで、確かにあのまま大河内が逃げなきゃラブラブで終わってたんでしょうけどそれほど甘くはないんですね。
ラブラブも見たかったですが。

前作「美しいこと」とは何から何まで対照的で、こちらは読んでて別の意味で何度か泣きが入りそうでしたが、どちらも木原さんでなければ書ききれないだろうという話には違いありません。

こちらはちと読む人を選ぶだろうから大声でオススメです、とは言えないのが辛いところですけどね…。

ゆちゅらぶ♪ | 木原音瀬 | comments(8) | trackbacks(3) |
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Comment
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この話を文庫創刊のラインナップに持ってくる出版社の勇気に敬意を表します(笑)。
亡きビブロスと比べて、生まれ変わりのリブロは冒険心をなくしたなあと思っていたのですが、やるときはやってくれますね♪

私は大河内がかなり好きなんですよね。
あ、ゆちゅさん、引かないで(笑)。
ほんといやな奴でしょ、こいつ。
どうしようもないくらい醜い姿(比喩でなく)まで散々さらして、でもそんな男がチラッと見せる危ういしぐさや子どもっぽいセリフがもうかわいいったら…。

…ひょっとしなくても私、青池のご同類…?

だからなのかな、青池が大河内を根負けさせたというより、青池が大河内から逃れられなかったというふうにしか感じられない…。

>幸せ基準値が大暴落

わかります〜。
私もそうだもん。
なーんて、私、木原さんに限らすBLに関しては全般ハッピーエンドの沸点が低め設定なんですけど(笑)。
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(..)φ くろみみ
2008/04/10 9:55 PM

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くろみみさん こんばんは♪

いや、確かに創刊ラインナップとしてはどうなのよ…と思わないでもないんですが、同発の他作品を見ても「で、このレーベルのコンセプトって?」…人事ながらリブレの冒険心の行方が心配です(笑)

>青池が大河内から逃れられなかったというふうにしか感じられない…。

これは私も思いますよ〜。
大河内はカイルやファウジと同じタイプなんでしょうねー。ある意味魔性。

私は小説読む時はかなり感情移入して泣いたり怒ったり忙しいんですが、この二人はどちらにも共感できませんでしたから割と第三者的に冷静に読めました。
うん、やはり萌えとは別の次元ですね〜。

でも読むのはやめられないの。
木原さんですね、魔性は!(笑)
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(..)φ ゆちゅらぶ♪
2008/04/11 12:05 AM

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ゆちゅ♪さん、こんばんは〜。

読みました…。
かなりの覚悟をして読んだのですが、意外とあっさりと読めました…。
とりあえず、木原さんの作品だからっていうことで、私も幸せのハードルを無意識に低くしていたようですよ。
まあ、かなり読者を選ぶとは思いますけどね…。
青池の趣味の悪さには共感がどうしてもできないし…。
しかし、ビープリ…。創刊ラインナップにこれを入れるとは…。木原作品を入れたかったとしても他の作品があるだろう…。
来月のラインナップもバラバラの印象だしなあ〜。とりあえず、人気作家の作品をっていうコンセプトなんでしょうか〜。

TBいただきましたので、よろしくです♪
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(..)φ はーこ
2008/04/11 2:28 AM

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はーこさん こんにちは!

わりと人気作家さんの過去作品を文庫化しているあたり、ルチルの二匹目のドジョウ狙いか?といったところですが、絶版になっている名作を再び世にだしてくれるならば・・・どうみてもこれいらないんじゃ・・・?と思える作品なきにしもあらずですが、そーっとスルーしてつっこむまい。

私は読む前からかなり覚悟してたんですが、思ったよりは・・・まあ一応ラブも生まれていたし〜。
ストックホルムみたいなものですからそりゃ好きになっちゃうほうがラクなんですよね、大河内も。
認めちゃうとまた立場の逆転が起こりそうだから絶対認めないでしょうけど。

コメント&TBありがとうございました♪
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(..)φ ゆちゅらぶ♪
2008/04/11 1:11 PM

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こんにちは、ゆちゅ♪さん。

木原さんと水原さんだけは、読む前から戦々恐々です。
木原さんの痛さは精神に、水原さんの痛さは肉体に来るんですよね。
どちらかというと肉体的苦痛の方がまだマシ、と思っている私は木原さんの方が怖いです。

このお話、初めて読みました。書店で手に取ったときは、ラストの首を掻き切って大河内にのしかかる青池のイラストに「きゃっ、これは読めないっ」と思いつつ、買ってきました(なくのこっちゃ)。

大河内の最低ぶりがとても分かりやすくてツボでした。最低だけどどこにでもいるタイプ。一般社会ではこういう人、身近にいそうですよね。
弱い振りして、実はしたたか。状況次第で態度をコロっと変える。根底にあるのは自己保身。そして会社で実際に出世していくのはこういう男なのかも。

青池はなんか読んでいて痛々しかったです。大河内の人柄ではなくて、綺麗な外見と雰囲気に一目惚れてしまったために苦しむことになるんですよね。

純粋なだけに、壊れると一番怖いタイプかも。よく犯人像で周りの人が「あんなに真面目でいい人があんな凶行を」というのは、こういう青池タイプだと思いますね。

BLファンタジーの奇麗事をぶち壊すこのお話、やはり木原さんでなければ書き切れなかっただろうなと思います。

TB、宜しくお願いしますvv
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(..)φ
2008/04/15 9:50 AM

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桃さん こんにちは〜!

>よく犯人像で周りの人が「あんなに真面目でいい人があんな凶行を」というのは、こういう青池タイプだと思いますね。

ですよね。家の中であれだけの凶行を繰り返しながら植田にラブラブを語る青池が痛々しいやら恐ろしいやら…。
しかし植田はごまかせてもラストまっぱで首掻き切ったあとなんて警察に説明したんでしょうか…普通ならあの時点でマスコミに大騒ぎですよね?
最後は何食わぬ顔で社会復帰している二人にちょっとびっくりしました。

あ、そだそだ、桃さんが書いてらした××塗れのドッグフード、あれは嫌ですよね〜!
最初読んだとき私も込み上げそうでした(T∇T)
身近にはキャットフードしかないんですが、何となくドッグフードのほうがキツイ…。性的暴行よりキツイですよね、BL読みには!
木原さん…キツイけどついていきます〜(T∇T)

コメント&TBありがとうございました!
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(..)φ ゆちゅらぶ♪
2008/04/15 12:47 PM

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ゆちゅらぶ♪さん、こんにちは〜

>いつの間にか木原さんに関してはずいぶん幸せ基準値が大暴落してるんじゃなかろうか
他の方のコメントと被りますが、私もそれに激しく同意しますよ!
木原先生にすっかり調教されてしまったようです…。

>タフで無神経
そうか。そうですね。
大河内はタフなんだな。
…なんとなく、あの黒い虫さんを思い出してしまいました…。

相当濃くて、読んでいて楽しい話でもないと思うんですが、木原先生だからこんな話もアリか〜と思ってしまう自分がいます(笑)
木原先生ってすごいなぁ…。

TBさせていただきますね。
それではまた〜
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(..)φ にゃんこ
2008/04/15 6:00 PM

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にゃんこさん こんばんは♪

うぎゃー、私ゴ×××だめなんですよ〜!(T∇T)
大河内は嫌な奴ですけど、ゴ×××は…!
でもまあ強靭かつ無神経な精神を持つ彼だからこそあのラストがあるんでしょうけどね〜。

しかし監禁とかス〇トロとかドッグフードとか、ネタ的に私ホントにダメだ〜と思うんですけど、木原さんだと木原さんなら仕方ないと思えてしまうんですよね。木原マジック!
あ、剃〇は他の作家さんでもいけます(笑)

コメント&TBありがとうございました〜♪
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(..)φ ゆちゅらぶ♪
2008/04/15 11:52 PM

It comments.









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