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犠牲獣〜このうえなく甘美で完全な復讐譚〜
 皆様 ご無沙汰しております。生きてます。(毎回第一声がこれってどうなのよ

本当に更新が滞っておりまして、人の噂も七十五日どころか記憶の角にも引っかからなくなった頃にひょっこりと戻ってきたりしているわけですが、そんな辺境過疎ブログにも足を運んでくださってるみなさま、時折拍手などしてくださるみなさま、誠にありがとうございます!!
だいたい拍手いただいた記事は何書いたか本人もいい具合に忘れてるので(おい、)ついでに読み返してはニヨニヨすると同時に私こんなにちゃんと文章書いてたんだ…とやや落ち込んだりもしておるわけです……。いえっ、拍手ありがたいです!!

すべてにおいてサボリ気味…じゃなくて、明確にサボっている私ですが、久々に感想を書かせていただきますよ。
桑原さんはもともとミラージュ大好きでハァハァしながら読んでいたものですが、途中で挫折しましてね…。
なんだか痛々しすぎて見てると辛くて。
そして離脱しっぱなしで今日に至るわけですが、BBNの初BL(えっ!?)の帯と古代マヤをイメージして書かれたということ、そして挿絵の佐々木さんに釣られて久しぶりに水菜さんの本を読みました。

……泣いた…(。´Д⊂) ウワァァァン!

まさに水菜ワールド炸裂な感じの、峻烈な物語でありました。

1冊の本に3話構成になっていて、メインとなる話でも120Pそこそこの短い作品です。
作中での日数も、祭が始まって終わるまでのたったの7日間。
しかも二人が顔を合わすのは太陽が姿を隠し、月に照らされている間だけ。空が白むまでの短い逢瀬です。

なんかこう書くととても甘い、ロマンティックな二人を想像してしまうかもしれませんが、実際には命を狙うものと狙われるもの、そして己の身代わりとして相手の心臓を抉り出す王と、生贄に選ばれた奴隷。
そんな殺伐とした間柄です。

この二人がいったいどんな7日間を過ごすのか…その結末は?

このあとは盛大にネタバレするので続きへどうぞ♪

【あらすじ】
「憎むべき敵に抱かれる気分はどうだ」最強王国の暴虐王バフラム。
彼に祖国を滅ぼされた王子・サクは復讐のため、祭祀の生贄としてバフラムに近づく。
しかしその思いを遂げる前に、サクはバフラムに捕まってしまい、屈辱のうちに犯される。
生贄として心臓を捧げられるまで七日毎晩続く陵辱…。
だがサクはバフラムの孤独に気付いてしまい!?
桑原水菜の描く圧巻のBL世界、ついにノベルズで登場。この単行本のための書き下ろしも収録。


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以前からアラブばっかりじゃなくてインドとかインカとかマヤとかくればいいよ!!と鼻息荒く主張していた願いをリブレさんが叶えてくれたのか、今月の新刊は古代マヤにインドですよ(;゚∀゚)=3ムッハー
いや、インド読んでないけど。
インカはSASRAで読めたしなー。でももっと書いてくれていいのよ…?

今回の話はあとがきでマヤやアステカをイメージと言われてる通り、太陽神信仰のために犠牲の心臓を捧げる国の王と、祭で王自らが選んだ「聖なる心臓」、これは自分のかわりに神にその心臓を捧げるため身代わりとして選ばれた見目麗しく、尚且つ強い奴隷との7日間を描いたものです。
しかし実はそこには目に見えないながら、6年という長い月日が横たわっているのですよ。

初めて見た時からサクの強さ、美しさ、そして自分をひたすら睨むように見つめる瞳に惹かれていたバフラムですが、最初はあくまで生贄にしては手応えのある獲物として嬲るつもりが、実は相手が自分が滅ぼした国の王子であったと知り強い興味を覚えます。
サクはといえば、両親を屈辱的に殺され、国を滅ぼされたときに見た鬼神のようなバフラムの姿を片時も忘れることなく憎悪を燃やし続け、6年もの間奴隷に身を落としながらチャンスを狙い、己を犠牲にすることでようやくバフラムの命を狙えるところまでやってきます。

結果として身体を投げ出してまで命を狙ったにも関わらず失敗してしまい、サクは一晩中陵辱されるのですが、その後続く儀式でも命を狙われていると知りながらバフラムはサクを犯し続けます。

この二人の攻防がね…結局サクは力負けして犯されて身体は落とされていっちゃうんですけど、サクにしてみればもうあとがないわけですよ。七日間の儀式が終われば自分はなにもできずにただ犬死したことになってしまう。抵抗も命がけだし、これ以上なく身体が繋がっているときにも変わらず憎悪しつづけ、虎視眈々とバフラムの命を狙っているのです。自分の命と引換でも相手を殺したいほど強い、深い思いです。

そしてバフラムも近隣には暴虐の王と恐れられながらも、その行いはすべて国のためであり、自分の国を、国民を守っていくために親ですら手にかけている。
傍から見ればすべて思い通りに振舞っているように見えて、そこに実はバフラム個人としての喜びや希望があるわけではない……国を救うことと引替に父を手にかけた時から虚無の人生を送ってるんだろうと思います。

そこに現れたサクは、6年ものあいだ自分を見つめ、それが憎悪であったとしても王である自分に一歩も引かず強い強い思いを向けてくる。
二人の間に存在するのが愛や恋のような甘い感情でなくても、自分だけに向けて迸ってくる激情に満たされるものがあるんじゃないでしょうか。

そしてふたりとも生まれながらの王族で有るがゆえに、サクにも最後には国を守っていくためのバフラムの王としての孤独が理解できてしまう。
七日間、それも夜の間だけの短い逢瀬で、お互い国を滅ぼしたものと滅ぼされたもの、命を奪うものと奪われるものという殺伐とした間柄でありながら、お互いの孤独がより深く二人を結びつけてしまったのかと。

神に捧げる心臓はかけがえのない、尊いものでなければならない。
それゆえに王の心臓を捧げて祈るのですが、実際に儀式のたびに王を殺すわけにいかないので代わりの犠牲を選び、そこに王の精を注ぎ込むことで王の現身とし、その心臓を捧げる。
王にとって、犠牲の心臓は自分のものと同一であることにあるわけです。

バフラムとサクは七日間という短い間でこれ以上なく深く結びついてしまい、バフラムにとってサクの心臓はまさにかけがえのないものとなった。
自分にとって大事なものを捧げて祈る、という意味ではそれこそ真の犠牲にほかならないわけです。
自分がバフラム愛し、彼からも愛されることによって本当の犠牲の資格を得た、と理解したときのサクは悟りを開いたように神々しいというか…静かに運命を受け入れ、バフラムのかわりに心臓を捧げることで国を救い、バフラムを守れることに喜びすら見出しています。

そして今まで自分を国のための犠牲にしてきたバフラムも、自分以上に愛し、失えない存在を得たことですごい葛藤する。自分以上にサクを生かしたいと願い、自分の心臓を捧げてもいいとすら思います。

しかし最後の夜に王であることよりも個人としてサクの命を大切に思ってしまったバフラムとは逆に、バフラムを愛することで彼の代わりに心臓を捧げ、王の威厳を持って今は失われた自国の民の分までバフラムの国の民を救おうとしずかに決意するサク。

ああ、サクにはすでにその気はないのだろうけど、当初の思惑通りここに完全な復讐が果たされてしまったのだな、と。
サクは結局バフラムの命よりも大事なものをその手で奪い、この先一生の孤独を与えることに成功したのですよね。
バフラムは愛する者の心臓をその手で抉り出し、国のため、民のために神に捧げるのです。
もともと孤高の王だったとはいえ、誰も愛さず胸に虚無を抱えたまま生きるのと、愛を知りながら孤独を生きるのではどちらが辛い人生なんだろう。

実のところ、作品の中では最後のシーンまでは描かれていません。
その先は読んだひとそれぞれの受け取り方というわけです。

メインとなる作品はサク視点、その後の2本はバフラム視点と、側近のククからみたバフラムが書かれているのですが、どれもその前日、あるいは儀式の直前までの話になっていて、儀式が実際どのように行われたか、その後のバフラムはどうなったか、サクは…などは明らかにされないままなんですよね。
それが中途半端でもにょっとする方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこれでよかったな。十分です。

読んでる間にも泣きましたけど、読み終わってからもなんとも胸狂おしくて……余韻が深くたまらない心地になりました。

こんな甘ったるい恋愛だけではない命がけの関係とか…ほんとたまらんですよね……!!
どうにも精神的に強い受に惹かれてやまないので、ライバルとか主従とか親の仇とかのキイワードにはめっぽう弱いです…////

水菜さんはミラージュもね…もう直高ほんとに大好きでハゲ萌えましたよね…途中離脱だけど…。
今回の作品もほんとに久しぶりに読んだ水菜さんでしたが、私が大好きだったギリギリ感とか、受けの精神的に強いとことか、以前に好きだなと思ってたところはそのままで、思う存分萌えさせて頂きました!!

まあBLというには甘さ控えめというかけっこうしんどい世界の話なのですが、これからもたまにはコッチの世界で作品を発表していただけると嬉しいです♪堪能したっ!!



ゆちゅらぶ♪ | BL 小説 | comments(0) | - |
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